私たちのこと

田舎暮らしとものづくりに憧れ、岡山の山村に移住。その後1年間を暮らしたイギリスで、
アーツアンドクラフツ運動の精神が脈々と受け継がれた美しい暮らしを知りました。

アーツ&クラフツビレッジ

アーツ&クラフツビレッジは1992年に廃校になった旭町立第2小学校を引き継ぎました 体育館は家具工房に、教室は染織工房に、理科室はカフェとギャラリーに校長室はゲストルームにと、木造2階建ての古い校舎が、 今ではすっかり生まれかわっています。

イギリスで見たアーツ&クラフツ

ダーティントン

Dartington Hall, England.

田舎暮らしとものづくりに憧れ、家族で大阪から岡山に移住したのは1986年。山の中にハンドメイドハウスをたてて住み始めました。そして5年後の1991年から1年間を暮らしたイギリスでアーツ&クラフツ運動と出会ったのです。

イギリスでの主な滞在先は南西部デヴォン州。私たちが住んでいたダーティントンという村は、タゴールに感化された大富豪夫妻が1920年代から芸術と工芸を軸に村おこしをしたところです。中世の貴族の館を中心に、芸術大学、環境研究所、アートセンター、クラフトショップなどが緑の中に点在する素晴らしい村でした。

アーティストや工芸家たちが協力してギルドをつくり、自前のギャラリーやショップをもつなど、積極的に活動しており、生活の中に音楽やアート、クラフトが溶け込んでいました。

運命的な校舎との出会い

その思いを形にしたのがアーツ&クラフツビレッジですこの校舎に出会ったのは、イギリスから帰国して広い仕事場を探していた時。 「廃校になる小学校があって、貸してくれそうだ」というので、夜すぐ見にいきました。

どこまでも続く山道に、「本当にこの先に小学校なんてあるのかなぁ」と不安になったころ、突然、校庭の分だけぽっかりと真黒な山に穴があいたようにきれいな星空が見え、桜の木が一本、満開に咲き誇っていました。耳にはザーザーという川の音。運命的といってもいいような印象的な出会いでした。

何キロにもわたる桜並木と豊かな水をたたえた旭川。わらぶき屋根の残る静かな山里は、創作活動には素晴らしい環境です。近年、住民の多くが出ていき、過疎となったこの村に、逆にイギリスで見たような、自然と溶け合った美しい暮らしへの可能性を感じます。

古い学校

1992年移住当時。
台風で流れてしまった木の橋が右手に

秋の魚 彫像 ヨガ 猫

アーツ&クラフツ運動とは?
『アーツアンドクラフツ』とは聴き慣れない言葉ですが、文字どおり芸術と工芸のことで、
今から100年以上前にイギリスで起こった運動です。
当時のイギリスでは世界に先駆けて起こった産業革命によって、機械工業が盛んになり、中世から続いてきた手仕事がだんだん隅に追いやられ、ひとびとは農村から都市の工場へ労働者として働きにでていきました。技術の進歩は、生活の物質的豊かさ、便利さととともに、労働の喜びを奪い、自然を破壊し、公害をもたらしました。
こうした流れに反して、生活に美と労働の喜びを求める人たちが、『手仕事の復建』を唱えて、アーツ&クラフツムーブメントという運動を起こしました。美しい壁紙や家具のデザインで知られるウィリアム・モリスもその代表者のひとりです。
その動きはイギリスから海を渡り、ヨーロッパやアメリカ、北欧へと、世界に広がりました。日本でも柳宗悦らによって民芸運動が起きましたが、この二つの運動には通じるものがあります。

by Toyomi Harada & Yasunori Nagao in July 1992.